思いだけでは人は助けられない

別にヒーローになりたかったわけではありませんが、今日も決断できない自分がいました。
ランニング中に近鉄山本駅の踏切につかまりました。
この踏切は線路が5本並んでおり、10m以上の幅があります。
いわゆる開かずの踏切です。

踏切につかまった直後、線路内で倒れているおばあさんを発見。
起き上がれないようだ。
やばい、電車が来るやん。
助けに行かねば。
向こうの踏切のそばで倒れており、ここから距離は7mほどある。
踏切を潜って線路内に立ち入るまでは無意識でしたが、ここで理性が働いてしまいました。
電車はどっちからくるんや。
右手はカーブで見通しが効かない、左には駅舎があって全く見通しがない。
やってくる電車の方向を示す踏切の電飾も太陽光を反射しているのか、ライトが弱いのか、全然分からない、
幸い、向こうの踏切の近くの人が非常ベルを押したようで駅舎ではレッドアラートが鳴り響いている。
これで電車には異常が伝えられたはずだ。
よし、行けるぞ。
それでも近鉄特急のどえらいスピードで疾走するイメージが頭の中を駆け巡り足が前へ出ない。
二次災害の可能性もある。
ほどなく私の目の前に近鉄特急がやってきて緊急停止した。
これで行けるはずだ。
いや、まだ線路は4本ある。
次はどこから来るか分からない。
躊躇している間に向こうの踏切を若い女性が潜っておばあさんを助けに向かっている。
更にもう一人、男性も踏切を超えて援助に来た。
その間、わたしは線路内の端っこでクラウチングスタートの格好のまま体が固まっていました。
今から思えばすぐに走って近寄り、背負ってでも助けられたはずなんですが、結局決断できないまま見ているだけで終わってしまいました。
この後、すごすごと線路内から出て踏切が開くのを待ってました。
人身事故にならずによかったです。