時計の電池交換

わたしの失業とともに腕時計の電池が切れた。

再就職をするに当たって時計の電池交換をすことにした。
この時計もリセットや。
いつもなら町中の時計屋さんで電池交換してもらうが、遠出は控えているので近所の質屋で電池交換をしてもらうことにした。
初めての店だ。

すませーーん。時計の電池交換、お願いしまーす。
と、店に入って声をかけると奥から80ぐらいのお婆ちゃんが出てきた。
はい、はい、はいと時計を受け取った。
旦那さんでも呼ぶのかと思ったら、そのお婆ちゃんが机に座って仕事をしだした。
ええーーー。
大丈夫なん?
ちゃんと細かい部分は見えるん?

その時計はダイバーウォッチもどきで、防水はちょっときつめ。
ペンチのような工具を取り出して、ひとこと言った。
>開くかな

ほんまに大丈夫なん?

悪戦苦闘しながらも時計の裏ブタを開けた。
中の外周に円筒形のプラスチックの仕切りが入っていた。
無造作に取り出して横に置いた。
形状が複雑やから上下と大体の位置を控えておいた方がええんとちゃうの。

電池交換はすんなり済んだが、案の定プラスチックの仕切がうまく収まらない。
グルグル回して収まるかを試しだした。
いつも間にか上下が分からなくなっていた。
ほら、さっき言うたやん。

悪戦苦闘すること10分ほど。
ハラハラしながら一部始終を眺めるしかなかった。
ようやく、なんとか裏蓋を締めることができた。
よかった。

お婆ちゃん、できて当然という顔をして時計を渡してきた。
いやいや、えらく悪戦苦闘してたやん。
ま、ちゃんと動いてるからええけど。

次回は別の店に頼もうっと。