野生の王国 ーお前がどけやー

今日、山を走っていてふと横のガードレールを見ると毛虫がびっしりと張り付いている。
いや、右へ左へとウゴウゴとうごめいている。
ほんでもってガードレールの天辺を見ると左から尺取虫が、右からは毛虫がやってきている。
左の尺取虫の後ろからは毛虫が追い付いてきている。

これは走っている場合じゃない。
じっくりと観察しないと。
まずは左側から。
名前がないと分かりづらいので、尺取虫は尺太郎としましょう。
その後ろの毛虫は毛太郎としますね。
ついでに右からやってきている毛虫を毛次郎としときます。

尺太郎お尻にぶつかった毛太郎は一瞬止まります。
ぶつかられた尺太郎は身体の前半分を持ち上げ、振り返って「なにすんねん」と怒っています。
ほんで、尺太郎が進みだすと再び毛太郎が追い付いでぶつかります。
尺太郎がまた振り返って「なにすんねん」
コントかよ。

いやいや、そんなことをしてる場合やないで、毛太郎がすぐそこまで来ています。
ちょっとワクワクします。
どうなるんやろ。
いよいよ尺太郎と毛次郎が正面衝突します。
ぶつかった瞬間、両者とも止まりました。固まりました。
最初に動き出したのは毛次郎です。
毛次郎は尺太郎の身体の上を乗り上げて進もうとします。
尺太郎、怒りました。
身体の前半分を持ち上げてブンブンと左右に振ります。
毛次郎も落とされまいと後ろ脚を踏ん張って、尺太郎から離れます。
その間にも毛太郎が何度も何度も尺太郎のお尻にぶつかっています。
しばらく尺太郎のブンブンが続きました。
結局、毛次郎は少し下に降りて左側へと進んでいきました。
尺太郎は絶対に自分のルートを譲りません。

尺取虫って結構気が強いんですね。