トイレのハナコさんかな?

季節外れのちょっとだけ怖い話
期待しすぎんといてくださいね。
わたしの思い込みかもしれませんので。

それはわたしが小学校低学年の頃のこと。
その頃の小学校のトイレは男女共同だった。
もちろん、都会の学校なので水洗、入り口は西側で東側には大きな窓があり、トイレ内は明るかった。
2時間目か、3時間目の授業中に急にお腹が痛くなり、先生に言って1階のトイレに駆け込んだ。
掃除した後なのか、タイル張りの床は濡れており、きれいなトイレだったことを記憶している。
入ったのは3列中の真ん中の個室だった。
当然、和式だった。
両隣の個室との仕切りは全部仕切られておらず、板の下側に5cmほどの空間があった。
しゃがんで用を足してホッとしたところ、その隙間から覗いている目があった。
ギョッとしたが、恐ろしくはなかった。

ははーん、腹を下したご同類がいるのか。

その時は何とも思わなかったが、どうして5cmほどの隙間から目が見えるのか。
頭を床にくっつけて覗くにしても難しい体勢である。
しかも、それは女の子と目と認識できた。

こいつ、人が用を足しているのを覗くとは失礼な奴やなあ。

すぐにズボンを上げて個室を出て隣の個室を見たが、空っぽだった。
???
そのまま教室に戻った。
この体験は誰にも話すことなく、すっかり忘れていた。