猫の恩返し

生徒さんから聞いた話

ある日、家の巣ごそばで仔猫の鳴き声がしていた。
見に行くと言えとゴミ箱の間で子猫が鳴いていた。
すぐに母猫が来るやろうとそのままにしておいたが、1時間以上たっても子猫の鳴き声が聞こえていた。
それに鳴き声が前より弱弱しくなっていた。
そこで彼女は隙間から子猫を取り出し、ミルクを与えて段ボールに子猫を入れて寝かした。
段ボールはゴミ箱の直ぐそばに置いておいた。
母猫が分かるようにと。

しばらくして見に行くと子猫はいなかった。
母猫が連れて行ったものと思われる。

数日後、玄関先にきれいな青い鳥が置かれていた。
はて?
外傷もなく、死んでいた。
青い鳥は庭に埋めた。

また数日後、今度はカエルが仰向きにおかれていた。
はて?
外傷はなかった。
そこで彼女は思った。
子猫が世話になったお礼に母猫が食べ物を置いて行ったのではないかと。
律儀な猫である。
置いて行かれたのが鼠でなくてよかったとも思った。a